ビギグラマーのノート

自作PCやプログラミングについてのブログです。

SIMフリーiPhoneの罠

 前置き

 最近の格安SIMの広がりを見ると凄まじいものがあり、多くの人が格安SIMないしはSIMフリースマートフォンに興味を持っているかと思います。日本の携帯事情といえば、Androidのシェアが増えてきたものの以前iOSiPhoneとか)の人気は高いままです。このiPhoneに携帯電話会社の回線の縛りなく格安SIMを入れる場合SIMフリーiPhoneが必要となります。(最近はSIMロックがかかっていてもそのまま使える格安SIMも増えてきました)  しかしSIMフリーiPhoneには思わぬ注意点があるのです。

入手

 さて少し話が逸れますが、まずSIMフリーiPhoneをどのようにして入手するのかを説明していきたいと思います。SIMフリーiPhoneは携帯電話会社のショップには売っていません。主にインターネットか、Apple Storeでの購入となります。

www.apple.com

 もしくはSIMロックのかかっていない海外の携帯会社版のiPhoneを買うこととなります。例えばアメリカのVerizonは4G携帯全てにSIMロックをかけないというポリシーになっているため、アメリカの他の携帯電話会社や日本の携帯電話会社などのSIMを使用することが可能です。このよなものを日本で使用する場合バンド(周波数)をよく確認する必要があります。次の見出しではバンドに関する注意点を米Verizon版iPhone7を例にして書きます。

日本で使える周波数

 まず海外でSIMフリーiPhoneを購入する際の注意点はこちらです。当たり前ですが、日本のApple Store等で買ったSIMフリーiPhoneはこの周波数の問題をクリアしています。

日本版の周波数

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 日本の通信方式のほとんどをカバーする北米版iPhone7を買う際はA1660, A1661となります。米国でCDMAを利用しているのはVerizon, Sprintの二社なのでそちらのiPhoneを買うことになります。ただしSprintは過去に米国内の他のキャリアをロックしたiPhoneを発売したことがあるのでVerizonの方が確実と言えるでしょう。

 もし、A1778, A1784を手にいれて日本で使った場合まずauでは3G回線が使えません。なぜならauはCDMA2000というマイナー方式をとっているからです。(またアクティベートができないようです) docomoではまず800MHz帯の使用ができません。ここはプラチナバンドと呼ばれ、混み合った場所でも通信環境が保証されやすい帯域です。そのため1700MHz帯とバンド1での3G通信となります。(一般的に数字が小さいほど低速ですが、ビルの中や山の上などの劣悪な環境でも繋がりやすいと言われます)Softbankでは日本版と変わらず900MHzから3G使用できます。

 一方でLTEは大体どこも対応しています。

 これらのキャリアは基本的にSIM単体での販売をしていないのでUnlocked iPhone格安SIMで使用することになります。

 例えばyモバイルは3Gに1700MHz, LTEにBand3, 28を使用しているのでA1778等でも問題なく使用できるはずです。

 このようにSIMを売っている携帯電話会社のバンドと対応しているバンドとをよく見て一番適当なものを買うということをオススメします。

アクティベート

 さてSIMフリーiPhoneを買ったからといってすぐさまSIMを挿入しないでください。そもそもSIMフリーiPhoneSIMロックiPhoneの中身は同じであり、アクティベーションサーバーと呼ばれるサーバーでiPhoneの登録(Appleアカウントなどでなくもっと技術的な意味)の際にSIMフリーの証がつけられているかどうかでしかありません。すなわち、アクティベーションサーバーにうまく認識されなければSIMフリーが外れロックがかかることもあり得ます。

 そのようなことがあり得るのでしょうか?

 私は一度経験したことがあります。Verizon版携帯をアメリカで購入し、T-mobileで使用していたSIMフリーiPhoneが、帰国しDocomoのSIMを挿入した際にSIMロックで弾かれたことがありました。すなわち私のそのSIMフリーiPhoneT-mobileSIMロックされていたのです。

 これは特段珍しい話ではなく、インターネットで検索すると幾らかの事例が出てきます。

 「アクティベーションサーバーにうまく認識されない」とはアクティベーションサーバーがメンテナンス中にSIMを挿入し初期起動しアクティベートしたiPhoneはそのSIMでロックがかかるという現象のことです。

 それでは、どのようにしてサーバーの誤認識を防げば良いのでしょうか?アクティベーションサーバーのメンテナンスはアメリカ時間の休日に行われることが多く、平日にSIMの挿入と初期起動(アクティベート)を行うことである程度は防ぐことができます。また、一度SIMを挿入したiPhoneの設定やコンテンツを全て削除しもう一度アクティベーションを行うということはこのようなリスクを伴うのでなるべく控えた方がよいと思います。

(この情報は日本Apple Storeの店員さんから聞いた情報です)

 

SIMロックがかかったら?

 SIMフリーiPhoneにロックがかかった場合どのようにしたら良いのでしょうか?まずApple Japanに連絡しアクティベーションサーバーでの登録の具合を確認してもらいましょう。そして再度SIMフリーにしてもらいます。これが確実にできるのは日本で買ったSIMフリーiPhoneであり、海外版は基本的にその国のAppleの仕事となるので日本のApple Storeではできない可能性があります。

Apple Careの問題

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 これはSIMフリーに限った話ではなく、海外版iPhone全体の問題となります。Apple Careでは画面割れだったら画面の交換修理を、本体にもダメージが及んでいる問題の場合本体の交換を行います。この本体の交換の際に交換できるのは同じ周波数モデルのiPhone同士だけです。iPhone7を例に出すと北米版A1660を交換する場合、日本には同じモデルのがないため同モデルをアメリカから取り寄せとなります。

 また交換品が何かの手違いでSIMロックがかかっているものが送られることがありました。その場合サーバー上でSIMロックを解除する必要がありますが、アメリカ版などの海外版はその申請が何かと面倒で、その海外のがなかなかロック解除に応じてくれない場合あるそうです。

まとめ

 SIMフリーiPhoneを購入する際はなるべく国内版のSIMフリーiPhoneApple Storeで購入することをお勧めします。その場合、SIMを刺す時の日時を少し念頭に置いてアクティベートするとより安全に使用できます。